地元ガイドの渡辺啓介さんと巡る 旧米沢街道 ぶらっと半日コース

新発田から米沢を結び、人の交流や物流の重要な役割を果たしてきた米沢街道。関川村下関の旧米沢街道沿いには、渡辺邸をはじめとした豪農の住宅街が並び、風情ある宿場町の佇まいを残しています。今回は、地元ガイドとして活躍する関川村出身の渡辺啓介さんに旧米沢街道を半日ほどでぶらっと回れるおすすめコースをご紹介いただきました。

旧米沢街道 ぶらっと半日コース

1. 東桂苑

明治38年に当時の最高の建設技術を集め、渡邉家の分家として建築されました。木造2階建ての入母屋造りの風格ある佇まいで、しっとりと美しい竹林や苔の庭、真っ赤に色づく秋の紅葉を目当てに多くの方が来訪されています。

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徒歩約2分

2. 渡邉邸

3000坪の敷地に500坪の大邸宅を誇ります。母屋は重厚な切妻造りで、屋根は石置木羽葺屋根撞木(いしおきこばぶきやねしゅもく)造りという珍しいもの。度重なる火災に見舞われましたが、文化14(1817)年に現在の建物が再建されました。

母屋を南北に貫通する広々とした土間に面して、主人の使う茶の間、客人を通す中茶の間、使用人が主に働く台所と順に一段ずつ低くなる造りになっています。敷地内には、火災や盗難にも備えた万全の造りの6つの土蔵(米蔵・味噌蔵・金蔵・宝蔵・新土蔵・裏土蔵)や江戸時代中期に京都から庭師を招いて築かれた廻遊式の庭園などがあります。

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徒歩約10秒

3. 津野邸

渡邉邸に隣接する津野邸は、現在までに何度か改築されましたが、商家構造の建造物として極めて貴重です。(非公開)

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徒歩約10秒

4. 佐藤邸

先祖は地域の庄屋を務め、渡邉家に次ぐ大地主でした。茅ぶき屋根で豪壮な佇まいを残しています。平成3(1991)年に国の重要文化財指定を受けました。(非公開)

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徒歩約5分

5. 関川小学校

教育制度として、小学校を6年間、中学校を3年間、高校を3年間と定めた、いわゆる「六三三制」は第二次大戦後に制定された学校教育法により昭和22年4月から全国で実施されました。実はそれよりも9カ月も早い昭和21年7月に現在の関川小学校の敷地に六三三制の実験校として「関谷(せきだに)学園」が設置されました。

文部省幹部の新しい教育制度を作りたいという理想に、当時の関谷村長であった渡邉万寿太郎(渡邉家当主)が共感。渡邉家が資金提供して、初等科・中等科・高等科からなる一貫教育・男女共学の実験校が設置されました。

関谷学園では、数学の学力別クラスや英語教育など先進的な教育が試みられましたが、昭和22年の学校教育法施行に伴い新学制に吸収され幕を閉じました。関川小学校の校門左手に「六三三制発祥の地」を見ることができます。

徒歩約5分

6. せきかわ歴史と道の館

村の歴史や、旧米沢街道、18世紀の町並みなどの資料を展示しています。書や絵画などを紹介する企画展も常時開催されています。ちなみに、歴史と道の館の建物は、渡邉邸をイメージしたもので、屋根も石置木羽葺屋根撞木(いしおきこばぶきやねしゅもく)造りになっています。

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地元ガイド 渡辺啓介さんインタビュー 関川村の魅力・想い出

美しい光兎山があって、私たちに恵みをもたらしてくれる荒川があります。幼少時代からドジョウを捕まえたり、カジカを捕ったり、自然と戯れて遊んできました。昔と比べると村も川も変わってしまったけれど、やっぱり懐かしくて、愛おしさを感じる関川村の風景。
都会っぽくて洗練された「かっこいい」こと、「ものめずらしいこと」とは対極の存在かもしれません。だけど、言葉で言い表せないほどに関川村が好き。村を包む目では見えない空気感のようなものに郷愁を覚えます。

私自身も若い時分は、仕事の都合があり村の外に出ていました。70歳を迎えて、改めて歴史や先人たちの生き様に向かい合ってきて、暮らし慣れた関川村が違って見えてきました。自分自身が成長したのか、変わったのか、それは分からないけれど関川村のあらゆる物、人、事が光を放つようになってきたのです。

例えば、関川村の大切な観光資源である渡邉邸。渡邉邸を守ってきた歴代の当主たちも、人格者で先進的で、ぜひ後世の人々に伝えていきたい考え方や発想を持っています。保険制度や六三三制など新しい考え方で、人々の暮らしを豊かにしようと努めました。その発想には、優しく温かな目線で村の将来を見据えようという根底の考え方があります。渡邉邸のような文化財は関川村の宝物だと思っています。こうした宝物は、子供たちの心を耕す鍬になって、将来素晴らしい何かをもたらしてくれるでしょう。

まだ関川村にいらしたことのない皆さんは、のんびりした空気感を感じに、心の洗濯にお越しください。関川村の村民の皆さんは「脚下照顧」。改めて、村の魅力を再発見してみてください。

毎年秋に開催します! 東桂苑の人気イベント「食地」

「関川村の『地』の恵みを、明治時代の屋敷『東桂苑』で食す」というコンセプトのイベントです。毎年、10月・11月ごろに数日間実施され、毎回満員となる盛況ぶり。地元の“お母ちゃんたち”からなる「関川村生活改善研究会」のメンバーにより関川村の新鮮な食材を生かした心尽しの郷土料理を味わえます。当日は、街並み見学ツアーも実施されています。